【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
一時間後。


私は時哉さんを起こそうと隣を見ると、まだ気持ちよさそうにすやすやと眠っている。


（起こしたくないな……折角、眠っているのに）


そう思ってしまった私は中々時哉さんを起こせずにいると、私が起こさなくても時哉さんが「ん……」と小さな声を上げて、目を覚ました。

時哉さんは寝ぼけた表情のまま、スマホで時間を確認して、パッと目を覚ました。


「あれ、一時間過ぎてる？」


時哉さんの言葉に私は「疲れているようだったので、起こすのが申し訳なくて……」と答える。

すると、何故か時哉さんが優しく笑った。


「前も言ったけど、俺は眠りが浅い。でも、いま奏葉の隣だと久しぶりにぐっすり寝れた気がするんだ。だから、起こしていいよ」

「一人で乗った新幹線で全ての時間を使って眠るより、一時間奏葉の隣で眠る方がよほど疲れが取れる」

「そして、その後に奏葉と話せるなんてもっと疲れが取れるだろう？」


時哉さんはそう言った後、私の持っていた漫画に目を向けた。
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