【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
「今日は少女漫画じゃないの?」

「あ、はい。どんなジャンルでも読むので」

「そうなんだ。その漫画はどんな話なの?」

「これは……」

時哉さんはその後も、いくつか他愛のない話を私にする。

そして、最後にこう言って優しく笑うのだ。



「奏葉のことが知れて嬉しい」



そう言って笑う時哉さんにどうしても心臓が速くなってしまう。

「奏葉は? 俺に聞きたいことないの? まだ俺のこと怪しかったら、色々質問しても大丈夫だよ?」

時哉さんへの質問……確かに私はまだ時哉さんのことを何も知らない。

知っていることは、医者で忙しくて、私をからかうくせに甘い人というだけ。
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