【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
その甘さは危険すぎる
「ちょっと待って下さい!」


周りの乗客は荷物を片付けて、続々と新幹線を降りていく。

私は立ち上がることも出来ないのに、時哉さんは荷物を片付けて降りる準備を済ませている。


「奏葉は、このあと用事あるの?」


「ないですけど……そういうことじゃなくて!」


私が慌てているのを時哉さんがニコニコと余裕そうな表情で眺めている。

私だけ慌てているのがどこか悔しくて、私は何とか落ち着くために深呼吸を一度だけする。




「……時哉さんの家に行くんですか?」




「駄目?」




「駄目に決まってます!」




時哉さんは私が何を言いたいか分かっているくせに、わざと「なんで駄目なの?」と聞くのだ。
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