【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
「それは何ていうか普通に駄目です! 早いというか……」

私がモゴモゴとしていると、時哉さんが「ふはっ!」と吹き出した。



「ごめん、あまりに可愛くてついからかっちゃった。『何もしない』けど、俺の家に来ない?」



時哉さんがじっと私の目を見つめている。

「もっと奏葉と話したいだけ。これでも忙しいから、次にいつ奏葉と会えるかはっきり今言えないし」

「それでも、連絡先を知っているのですから無理に今日じゃなくても……」

すると、時哉さんが私の顔を覗き込むように少しだけ顔を近づける。




「だって、俺が奏葉と離れ難いんだ。もっと今日一緒にいたい。多分、夢から覚めたくないのは俺の方」

「もちろん夢じゃないけど、もっと沢山『今日を』奏葉と一緒に過ごしたいだけ」



甘い言葉に流されそうになるけれど、私だって警戒心がないわけではなくて。
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