【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
「そうなの? 奏葉の読んでる漫画のヒーローがこんなタイプが多かったから好みなのかと思った」

「漫画は漫画です! 現実とは違います! それに少女漫画はそういうものです!」

「あはは、そうだね」

時哉さんが何も気にしていなさそうな感じだったので、私はもう一度大きな声で時哉さんの名前を呼ぶ。



「時哉さんは時哉さんのままでいいんです。私に好かれるために雰囲気を変えるなんて時哉さんらしくないです。時哉さんはもっと……なんていうか、掴みどころがないくせにまともで、それでいてからかうし……」



「それ褒めてくれているの?」



「褒めてます……そんな時哉さんだから信頼出来る……というかなんていうか……」




私が上手く言葉を(つむ)げないでいるのに、時哉さんは何故か嬉しそうに呟いた。





「……やっぱり奏葉がいいな」





「急に何ですか!?」





やっぱりそのままの時哉さんが一番緊張する……って、違う!

なに(ほだ)されそうになってるの。
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