【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
「とりあえず、時哉さん! ちゃんと反省して下さいね!」

「分かっているよ。もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」

「っ! 時哉さんの馬鹿!」

「あれ、ダメだった? 聞かない方がいい?」

時哉さんがクスクスと笑っている。

「聞く聞かないの前になんかずるいです! とにかく時哉さんに振り回されている感じが嫌です!」

その時、時哉さんが私に聞こえないほど小さな声で何かを呟いた。






「そうやって無意識に可愛いこと言って、俺を振り回しているのは奏葉でしょ」






「時哉さん? 何か言いました?」

「ううん、何でも。『今日が終わるの悲しいな』って」

「聞こえなかったけれど、絶対に違う気がします……」

「そう? 今日が終わってほしくないのは本心だよ。でも、もうそろそろ時間も時間だし、奏葉を帰さないとね」

時哉さんの言葉に壁にかかっている時計を見ると、夜の8時を指していた。
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