【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
時哉さんがコートを羽織り、玄関に向かおうとする。

「時哉さん。送らなくても、大丈夫ですよ?」




「あれ、さっき警戒心について身を持って教えたつもりだったけれど、奏葉には伝わってなかったかな? もう一回、押し倒した方がいい?」





「っ!? 結構です! ていうか、時哉さん反省してないでしょう!」





「それとこれとは別だよ。嫌なら、素直に送られること」





その言葉を断ることなんて出来なくて、私は時哉さんに家の近くまで送って貰った。

家に帰って、お風呂に入って、寝る前の準備を済ませて、ベッドに入ると一気に現実に戻ってきたような感覚がする。

出張の間に起こった夢のような出会い。

時間で言えば一週間も経っていないのに、もっともっと長かったように感じる。
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