【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
「言うか迷ったけど、こんな時に適当な嘘くらいつけるようになれば? なんか俺はこう言うタイプだけど、末永みたいなタイプが損する世の中も嫌な感じがする」

そう言って田代くんがポッケから飴を一個取り出して、私の机に置いた。

「さっき別の課の人にもらった。俺、飴食べれないから貰って」

「っ!?」

「末永? どうした?」






「いや、田代くんが優しすぎてびっくりしただけ」







「……俺のこと優しいっていうの末永くらいだけどね」






そうだろうか、まさに漫画のヒーロー感のある格好良さだったと思ったけれど。

だって、前に田代くんが飴を食べているのを見たことがある。

つまり、ただの優しい嘘で。

結局田代くんは私の様子がおかしい理由を無理やり聞いたりしないのだ。

ただ茶化して、私が傷つかないイジリをするだけ。
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