【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
返信がないことに不安になってきた数分後、メッセージが届いた。



「文字だけでも可愛いのが、奏葉のすごい所だよね」



「っ!」



そして、時哉さんから送られてきた日時と場所に「分かりました」と返した。

メッセージ欄に「楽しみにしています」と打ち込んでも、すぐに送ることは出来なくて。

それでも、しばらくして勇気を出して送ると「俺も」とすぐに返ってくる。

こんなに甘いやり取りをしているのに、私たちはまだ「ただの知り合い」で。

それでも、時哉さんの家に行った段階で私はもう時哉さんを警戒していなかったのだと思う。

もっと仲良くなりたいと思っていたのだと思う。

それでもこの二週間、自分から時哉さんを誘う選択肢はなかった。

新幹線の中でも寝ていて、いつも忙しそうにしている時哉さんの邪魔になりたくなかった。
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