【不定期更新】甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
そして、新幹線の到着3分前、その男性は何故かもう席から立ちあがろうとした。

私が少しだけ驚いた顔をしたのが分かったのか、男性は少しだけクスッと笑った。



「これでも忙しいんだよ。着いたらすぐに移動しないと行けなくて。時間がないんだ」



「大変ですね……それなのに、起こしてしまってすみません」



「……」



「どうしました?」

「君、本当に優しいね。なんか気になってしまうな」

「え……?」

「ねぇ、君は今から出張?」

「はい」

「しばらくはこっちにいるの?」

何故こんなことを聞かれているのか分からないまま、私は「はい」とつい答えてしまう。
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