第二幕、御三家の嘲笑
「俺はずっとお前の味方だから! 絶対に見捨てたりしないから! お前が誰でも、俺は――……」


 諦めたように雅の言葉尻が萎んでいく。雅にだけは嘘を吐きたくないから許してほしいなんて、身勝手かな。


「……俺は、お前の隣に居てやるから……俺の隣にも居てほしかったよ……」


 中学生のとき、誰よりも幕張匠(わたし)と一緒にいてくれた雅。たった一人の、幕張匠(わたし)の友達。誰よりも大切だった、私の友達。

 その雅に何も言わず消えた私は、きっと酷く罪深い。


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