第二幕、御三家の嘲笑
「土俵に上がりさえすれば、アイツでも容赦はしないし譲りはしないよ。覚えといてね」


 おやすみ。その一言と共に、ピシャリと窓は閉められた。私は一人取り残される。のろのろと、額に手をついた。


「……私、本当にとんでもない爆弾じゃん……」


 夕方の月影くんの言葉を思い出し、波の音しか聞こえなくなったバルコニーで一人溜息を吐いた。
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