この結婚生活に、ピリオドを。【ifストーリー】
結婚したばかりであるが、心春は離婚を視野に入れ、心春の結婚生活は始まった。



その日から1か月程が経ち、総司は今困惑していた。仕事から帰れば、リビングで心春が泣いていたからだ。

「……心春さん、大丈夫ですか？」

「……大丈夫、です……」

そう言って心春が顔を上げ、総司と目を合わせる。心春の表情を見た総司は、思わず息を飲み込んだ。

心春は疲れ切った顔をしており、笑顔もない。

「大丈夫そうには、見えません」

心配そうに眉をひそめた総司は、とあることを思い出し、ハッとする。

「……もしかして、ご両親から何か言われました？」

心春の父親であり総司の上司でもある彼の顔を思い浮かべ、総司は恐る恐ると言った感じで尋ねてみる。

総司は、同棲生活を初めてからの、総司の上司の心春への対応を思い出したのだ。

「……いえ、本当に大丈夫なので……このような姿を見せてしまい、申し訳ありません」

心春は総司に謝り、その場から逃げるようにリビングを出ていく。

「……春ちゃん……」

（春ちゃんは、僕のことを信頼してくれてないのか……）

その事実に対し、総司の胸はチクリと痛んだ。
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