この結婚生活に、ピリオドを。【ifストーリー】
それから数日後、心春は買い物のために、非番の総司とともに外に出ていた。同棲生活を始まる前まではあった元気もなくなり、心春は暗い顔で外を歩く。
「……心春!!」
心春の耳に最近聞けなくなった声が届き、心春は声がした方へと顔を向けた。
そこに居たのは、心春がずっと会いたかったジョンである。
「……ジョンさん!」
暗かった心春の顔は一気に明るくなり、心春はジョンに走って近づいた。
「心春、会いたかった」
ジョンは心春を抱きしめ、そう言う。ジョンの顔は真っ赤に染まっており、それを見た総司は瞬時に彼が心春のことを好きなのだと見抜く。
「私も、会いたかったです」
心春の声が暗いものから明るいものへと変わり、総司は心春と彼は両想いなのだろうと推測した。
(僕は、春ちゃんを幸せにすることが出来ない……?)
「ジョンさんは、どうしてここに?」
「講演会に呼ばれてね。一週間くらい、日本に滞在する予定だよ」
心春から離れながら、ジョンは簡単に事情を話す。
「……あの、心春さん」
心春とジョンの会話に入ってはいけない、そう思った総司だったが、会話が途切れたタイミングで会話に入った。
『突然会話に入ってしまい、申し訳ありません。心春さんの夫の椿総司と申します』