この結婚生活に、ピリオドを。【ifストーリー】
ジョンに向かって、総司は英語で丁寧に自己紹介をする。

『動物学者のジョン・スタンフォードです』

お互い挨拶をして、総司は話を続けた。

『心春さんのお知り合いのようですし、少しお話をしませんか?お時間があれば……』

総司の言葉に、心春は驚く。無理やり引き離されるかと思っていたからだ。

「……いいのですか?」

総司が「ええ」と微笑みながら頷くと、心春は嬉しそうに笑った。

心春がジョンの方を振り向くと、ジョンは「僕はいいよ。今日はもう予定ないから」と微笑む。

「分かりました。この近くにおすすめのカフェがあるんです。行きましょうか」

総司の言葉に、心春とジョンは同時に頷いた。



総司に案内されたのは、お洒落なカフェだった。

3人はそれぞれ食べたいものを頼んだ後、心春とジョンは2人で話をしだし、総司は静かに2人の話に耳を傾けていた。

心春の楽しそうな笑顔を見て、総司はズキリと胸を痛める。それと同時に、とある決意を固めた。

その時だった。

総司の携帯が鳴り、誰からの着信かを確認した総司は2人に断りを入れ、席を立つ。

少し経って、心春もお手洗いに行くために席を立った。

移動中、心春の耳に聞き覚えのある声が聞こえ、心春は足を止める。
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