この結婚生活に、ピリオドを。【ifストーリー】
心春がお手洗いから戻ると、総司はスッキリしたような、穏やかな笑みを心春に向けた。
「……心春さん。俺たち、離婚しましょう。俺には、心春さんを幸せに出来ません……心春さんには、幸せでいてほしいんです」
総司はそう言うと立ち上がって、荷物を肩にかける。
「では、色々と準備したいので俺は先に行きますね。ジョンさん、心春さんをよろしくお願いします」
ジョンに向かってぺこりと頭を下げ、総司は「……じゃあね、春ちゃん」と呟くと歩き出した。
その呟きを聞き逃さなかった心春の頭に、とある少年の顔が浮かんだ。
(……あの時の子って、もしかして……)
心春はそう思いながら、総司の背中を見送った。
そして、心から総司の幸せを希う。