画面越しじゃ、満たされない

two call

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『もしもし。こんばんは、モモちゃん』


『……今日も配信お疲れ様です、ナギくん』


『どうやった？今日』


『控えめに言って［最高］でした。
あんな窮地で、咄嗟の判断できるの神。
反射神経が化け物すぎ。読み合い力もレベチ』


『……1試合、俺が戦犯になりかけてもーたけど？』


『そこはご愛嬌。
でも結局、戦況ひっくり返したじゃないですか。
自分のミスは自分で拭う。かっこよすぎ』


『うーん。やっぱりこの熱量が癖になるよな〜』


『うっ……またやってしまった』


『あ、そうや。公式のお知らせ見た？』


『見た。穴が開くまで見た』


『え、開いたん？
……んで、どうすんの？』


『え、来週から始まる国内大会の話ですよね？』


『うん。決勝戦、初めてオフライン観戦やるんやって。モモちゃん、観に来てくれるん？』


『行くに決まってるじゃないですか？？？？』


『な、なんでちょっとキレてんの』


『気持ちは前のめりなんですけどね。
ただなぁ……席の抽選、当たるか心配』


『まあ、まだ俺らが決勝戦行けるかわからんけどな』


『絶対行けるもん。信じてるもん。
もうスケジュールあけてるもん』


『一応言うだけ言うけど……
関係者席も用意できるで？』


『ははっ』


『うん。モモちゃんが用意してって言うわけないよな』


『緊張しますか？初めての有観客で試合』


『そらね。
めっちゃ緊張するわぁ……ステージもでっかいし。
でも……』


『？』


『観客席のどこかに、
モモちゃんがおるって考えたらアドレナリン出るかも』


『それ、生命の危機を感じた時に出るホルモンですよ』


『ある意味、危機感はあるかもな。
モモちゃんのこと考えると、心拍数上がるし』


『私、狩り取ったりしないですよ。ナギくんのこと』


『……そういうドキドキやないんやけど。
まあ、とりあえず。席当たったら、どこか教えてな』


『絶対にイヤです』


『なんでよ』


『顔バレしたくない。認知してほしくない』


『そんならええよ。
姿知らんくても、見つけられるって自信あるから。
［サブイベント：モモちゃんを探せ］』


『そんなことしなくていいから、プレーに集中して』


『まずはリーグ勝ち上がらなな〜。
さて。そろそろチーム練習行ってくる』


『はい。頑張ってください、ナギくん』


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