私達の恋は海に流れ着いた。
そんな毎日を繰り返し、一学期が終わり、二学期に差し掛かった頃、転校生がやってきた。



「よろしくお願いします!」



私にも聴こえるくらいの声量で、転校生は喋った。
びっくりして少しビクついたけど、なんとか体制を崩すことはなかった。



「じゃ…水瀬の隣…座れ」



きっと、私の隣の席に座れと言ったのだろう。私の隣は、誰もいない。誰も、近寄らないから。



「水瀬さん、よろしくね」
「…」



話しかけられたのはいつぶりだろう。先生を除けば本当に半年ぶりくらいだ。



「…私に話しかけないで」
「え?」



気がついたら、冷たい言葉を名前の知らない彼に口を零した。



「うわ…さん…」
「ほんとに…たいよね」
「あんな…なのに」



きこえないけど、何となくわかる。
きっと、小声で陰口を言われているのだろう。



「じゃあ、話しかけてもいいように努力するね!」



私は驚いて下を向いていた顔を彼に向けて、彼の顔を見た。
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