熱情を秘めた心臓外科医は 引き裂かれた許嫁を激愛で取り戻す
喜んでいる町田の表情を見て、架純も嬉しくなった。肉親は皆、架純から遠く離れているけれど、母代わりに町田がこの家にきてくれてほんとうによかったと、改めて思う。
その後、着替えを持ってバスルームに移動し、軽くシャワーを浴びて汗を流した。水気をとるようにタオルで身体を拭いて、ルームウエアに腕を通す。
髪を乾かして部屋に戻ると、テーブルに置きっぱなしになっていたスマホが振動した。
一瞬、理人のことが思い浮かんでドキリとしたが、それは、チャット友達のハルからだった。
ベッドに座ってメッセージを確認する。
『スミレ、最近どうしてる?』
なんて答えようか逡巡していたら次のメッセージが届いた。
『こっちは、実は入院してるんだ』
架純は驚いて少し体を起こした。
『ハル……具合が悪いの?』
『うん。なんかこのままもう誰にも会えないかもしれないなんて考えたら、この間のスミレのこと思い出してさ。ほら、急に連絡が途絶えたら心配させるかもしれないから一応』
寂しげなハルのが浮かんだ。けれどきっと強がりの笑顔でいるのではないかとも思った。なんとなく自分自身と重なる部分があったからだ。
花の香りに包まれていたハルと、彼にもらったスミレの花のことを思い浮かべる。
理人のマンションの部屋の花瓶に活けていたスミレはそういえばしょんぼり萎れていた気がした。
なんとなく不安に駆られ、架純はハルに急ぎ返信する。
『ハルがいるのは十和田総合病院?』
『そうだよ。見舞いに来てくれる?』
『午後の面会の時間に行ってもよければ』
『やった。来てくれるときに、ひとつだけ頼んでもいい?』
『もちろん。食べたいおやつ?』
『それもあるけど……花屋の店主に心配かけちゃったから元気だって伝えてくれないかな。ついでに、スミレが選んだ花で花束をつくってもってきてほしい』
『わかった。家政婦さんが作ってくれたマフィンと、ハルが元気になれるお花を必ずもっていくわ。待っていて』
メッセージのやりとりはそこで終わった。またあとで、了解、というスタンプを互いに押し合う。
このまま臥せって部屋にこもっていようと思ったからルームウエアを着たけれど、クローゼットの中から出かける服を選び直す。
その後、着替えを持ってバスルームに移動し、軽くシャワーを浴びて汗を流した。水気をとるようにタオルで身体を拭いて、ルームウエアに腕を通す。
髪を乾かして部屋に戻ると、テーブルに置きっぱなしになっていたスマホが振動した。
一瞬、理人のことが思い浮かんでドキリとしたが、それは、チャット友達のハルからだった。
ベッドに座ってメッセージを確認する。
『スミレ、最近どうしてる?』
なんて答えようか逡巡していたら次のメッセージが届いた。
『こっちは、実は入院してるんだ』
架純は驚いて少し体を起こした。
『ハル……具合が悪いの?』
『うん。なんかこのままもう誰にも会えないかもしれないなんて考えたら、この間のスミレのこと思い出してさ。ほら、急に連絡が途絶えたら心配させるかもしれないから一応』
寂しげなハルのが浮かんだ。けれどきっと強がりの笑顔でいるのではないかとも思った。なんとなく自分自身と重なる部分があったからだ。
花の香りに包まれていたハルと、彼にもらったスミレの花のことを思い浮かべる。
理人のマンションの部屋の花瓶に活けていたスミレはそういえばしょんぼり萎れていた気がした。
なんとなく不安に駆られ、架純はハルに急ぎ返信する。
『ハルがいるのは十和田総合病院?』
『そうだよ。見舞いに来てくれる?』
『午後の面会の時間に行ってもよければ』
『やった。来てくれるときに、ひとつだけ頼んでもいい?』
『もちろん。食べたいおやつ?』
『それもあるけど……花屋の店主に心配かけちゃったから元気だって伝えてくれないかな。ついでに、スミレが選んだ花で花束をつくってもってきてほしい』
『わかった。家政婦さんが作ってくれたマフィンと、ハルが元気になれるお花を必ずもっていくわ。待っていて』
メッセージのやりとりはそこで終わった。またあとで、了解、というスタンプを互いに押し合う。
このまま臥せって部屋にこもっていようと思ったからルームウエアを着たけれど、クローゼットの中から出かける服を選び直す。