第三幕、御三家の矜持
イケメンなだけじゃ……、とは、他に何が必要だというのだろう。三人の能力や性格が一年で激変するとは思えない。せいぜい何かあるとすれば、透冶くんの事件だけど、それをきっかけとするのは、せいぜい“御三家”という呼び名だけ──。
「やっぱさ、なーんか昏い影があるほうが、ちょっとかっこよく見えちゃうじゃん? 火遊びしたい、っていうのかな」
答えを見つけかねている私をふーちゃんは笑う。
「桐椰くんがあの見た目通りに荒れ放題だと慰めたくなっちゃうし、月影くんが優等生のまま手あたり次第女の子と遊んでたら遊んでほしくなっちゃうし。多分綺麗なだけのイケメンより、ちょっと影があるイケメンのほうがそそられちゃうんだよ」
王子様は元々影背負ってる感半端じゃなかったから最初から莫迦騒ぎされてたけどね、と。
「ま、あたしには関係ないんだけどね」
──そう、ふーちゃんは付け加えた。
「やっぱさ、なーんか昏い影があるほうが、ちょっとかっこよく見えちゃうじゃん? 火遊びしたい、っていうのかな」
答えを見つけかねている私をふーちゃんは笑う。
「桐椰くんがあの見た目通りに荒れ放題だと慰めたくなっちゃうし、月影くんが優等生のまま手あたり次第女の子と遊んでたら遊んでほしくなっちゃうし。多分綺麗なだけのイケメンより、ちょっと影があるイケメンのほうがそそられちゃうんだよ」
王子様は元々影背負ってる感半端じゃなかったから最初から莫迦騒ぎされてたけどね、と。
「ま、あたしには関係ないんだけどね」
──そう、ふーちゃんは付け加えた。