第三幕、御三家の矜持
「さぁ、分からないけど。そういう偶然もあるんじゃない」

「……父親同士も友達なんだろ?」

「……偶然だよ」

「……そうかもな」


 でも、松隆くんのお父さんが紹介状を書いてくれなかったら、私は花高に編入することはなかった。その言葉はぐっと飲み込んだ。


「……帰ろう、雅」


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