CRAZY LOVE
追想
“ぅっわぁぁぁぁぁ――”
あの日、あの時。
描いていた夢が無残にも打ち砕かれ。
わたしの小さな世界が崩れる音がした。
それなのに、どうして――…
不条理だらけの世界で。
わたしは今日もひとり、生きているんだろう……。
防波堤に腰掛け何を眺めるというわけでもなく。
遠き日々に想いを馳せていると。
ただただゆったりと時間が過ぎていくのを感じる。
ふと視線を上げると空を舞う一羽の鳥に目を奪われた。
「……一緒に連れていって」
青く澄み渡る空を自由に飛び回る鳥に。
刹那の夢を乗せて。
懸命に手を伸ばす。
どこにも行き場のない不安。
ふとした時に自分ではどうしようもないほど息苦しくなる日があって。
そんな時は決まって死に逃げたくなる。
だけどそんな淡い願望をいくら抱いても。
結局はいつも泡のように儚く消えてしまう。