本当の姿は俺の前だけな
第13話 ファンクラブの恐ろしさ
○撮影現場(朝)
男性モデルA「つかぴー、ラブラブすぎて羨ましいな」
鬼龍院司「これくらい普通さ。なんならキスでも見せようか?」
川崎莉奈「つ、司先輩、いきなり何を言ってるんですかっ」
顔を真っ赤にして莉奈は激しく動揺する。
川崎莉奈(きっと冗談だよね…)
(人前でキスなんて恥ずかしすぎるよ)
鬼龍院司「冗談さ。さっ、莉奈、俺達は昼飯でも食って帰ろうぜ」
莉奈の手を握る司。
動揺したままの莉奈を連れて、撮影現場をあとにした。
○駅までの道(お昼)
鬼龍院司「莉奈は何が食べたいんだ?」
川崎莉奈「そ、そうですねー、私は…パフェが食べたいです」
(パフェとか子供っぽかったかな)
鬼龍院司「任せな、激ウマの喫茶店を知ってるぜ」
司にエスコートされながら喫茶店へと向かう。
歩いて数分の場所に司オススメの喫茶店があった。
○喫茶店(お昼)
レトロな造りの喫茶店はお客がそこそこ入ってる。
空いてる席に向かい合う形で2人は座った。
鬼龍院司「俺はサンドイッチとコーヒーのセットにするかな」
川崎莉奈「パフェと…ピザトーストにします」
鬼龍院司「それじゃ店員呼ぶぜ。すみませーん、注文をお願いしたいんだけど」
司の声が店内に響き渡る。
店員がすぐに来ると司がオーダーした。
鬼龍院司「ところで莉奈、撮影現場で何かあったのか? 落ち込んでいたように見えたが」
鋭い司の指摘に莉奈の心が反応した。
一瞬だけ体がビクッと動く。
川崎莉奈「そんな事──」
鬼龍院司「莉奈、俺を信じて話してくれないか?」
川崎莉奈(司先輩の目、真剣だよ)
(ここで隠すのは失礼だよね)
莉奈は撮影現場での一件を話そうと決めた。
川崎莉奈「実はスタッフさんと話していて──」
莉奈は隠さず全てをありのまま話した。
つかさの瞳は常に真剣だった。
鬼龍院司「そんな事があったんだな。だが気にするな、莉奈は俺がいいだろ」
川崎莉奈「司先輩…」
(そうだよね、高望みしちゃダメだよね)
(私には司先輩がいるんだし)
司の器の大きさに莉奈は安心する。
コンプレックスも司がいるから耐えられた。
鬼龍院司「莉奈、口元にトマトソースがついてるぞ」
川崎莉奈「ふぇっ!?」
恥ずかしさが爆発し莉奈は耳まで真っ赤に染まった。
鬼龍院司「ほれ、仕方がないな」
ゆっくりと莉奈の顔へ手を伸ばす司。
優しい手つきで莉奈の顔からトマトソースを拭き取った。
川崎莉奈「──!?」
莉奈の思考は大爆発。
しおらしくなり、そのまま小さくなった。
鬼龍院司「これで美しい顔に戻ったぞ」
川崎莉奈「う、うん…」
(いきなりはずるいよ…)
(司先輩の顔、まともに見れないや)
瞳が潤み莉奈は視線を下に向けた。
鬼龍院司「顔が赤いが熱でもあるのか?」
再び司の手が莉奈のおでこへ伸びてきた。
川崎莉奈「な、ないから。熱なんてないから大丈夫です」
慌てて司の手を掴む莉奈。
真っ赤な顔に加え心音も大きくなっていた。
鬼龍院司「それなら安心だが…」
川崎莉奈(もぅ…。司先輩はいきなりすぎるんだもん…)
胸のドキドキは止まる気配がない。
莉奈は心地よい音色に身を委ねた。
○帰りの電車(お昼すぎ)
司と莉奈の手は繋がったまま。
乗っている人はほとんどおらず、イスに並んで座っていた。
川崎莉奈「今日はありがとうございます。とても楽しかったですよ」
鬼龍院司「そう言われると俺も嬉しいぜ」
普通の会話が嬉しく莉奈の顔は笑顔になった。
川崎莉奈(司先輩の肩に寄りかかっていいのかな…)
(変な女って思われたりしないよね…)
心の中で迷い続ける莉奈。
何度も横目で司の様子を伺う。
タイミングが見つからず諦めかけていると、電車が大きく揺れた。
川崎莉奈「きゃっ」
鬼龍院司「莉奈、大丈夫か?」
急停止した反動で莉奈の頭は司の肩の上にあった。
川崎莉奈(は、早くどかなくちゃ…)
そう思うも体が言う事を聞いてくれない。
密着しているのが気持ちよくなってしまった。
鬼龍院司「莉奈っていい匂いがするな」
川崎莉奈「つ、司先輩、何を言って…」
不意打ちの発言に莉奈は激しく動揺する。
鼓動が速くなり顔は真っ赤。
頭だけは司の肩から離れなかった。
鬼龍院司「素直な感想を言っただけだが、問題でもあったか?」
川崎莉奈「そ、そういう問題じゃないです…。その、嬉しいんですけど恥ずかしくて…」
(うぅ…。司先輩はストレートすぎるんだもん)
胸の高鳴りが収まる気配はない。
トドメの一撃で司が莉奈の頭を撫でる。
心地よさに莉奈はゆっくり目を閉じた。
○駅前(昼すぎ)
改札を出るまで手は繋いでいた。
2人とも名残惜しい顔でその手を離した。
川崎莉奈「いい思い出になりました」
鬼龍院司「俺の方こそ楽しかったぜ」
笑顔で見つめる2人。
幸せなオーラが溢れ出ていたを
鬼龍院司「そうだ、俺は明日も撮影があるから学校を休む必要があるんだ」
川崎莉奈「そうですか…」
莉奈は寂しげな表情を見せる。
鬼龍院司「本当にすまない。莉奈を悲しませるなど俺の失態だ。必ず埋め合わせはするからな」
川崎莉奈「寂しいですけど、私、我慢します。お仕事なんで仕方ないですから」
明るい笑顔で莉奈は答えた。
帰る方向が逆であったが、2人は何度も振り返った。
○学校・教室(お昼休み)
久しぶりに莉奈はお昼休みをひとりで過ごす。
自席で食べようとしていると、見知らぬ人が声をかけてきた。
ファンクラブメンバーA「アナタが川崎莉奈ね?」
川崎莉奈「そうですけど…」
鋭い目つきで莉奈を睨むメンバー。
鬼気迫る迫力があった。
ファンクラブメンバーA「ちょっと来てくれないかしら。言っておくけど拒否権はないから」
川崎莉奈「えっ…」
反論する暇なく莉奈は連れ去られる。
どこへ行くのか莉奈の心は不安でいっぱいだった。
○学校・裏庭(お昼休み)
連れていかれた先には女子生徒が数名いた。
全員腕組みで莉奈を威嚇しているようであった。
ファンクラブメンバーA「会長、連れて来ました」
ファンクラブ会長「ご苦労だったね。本当にこの子で間違いないのね?」
ファンクラブメンバーB「間違いありません」
異様な空気が流れる。
好意的ではないのは確かで、莉奈の心は恐怖に支配されていた。
川崎莉奈「あ、あの…。私が何かしましたか?」
勇気を振り絞り小声で理由を尋ねる。
ファンクラブ会長「心当たりすらないの? それじゃ教えてあげる」
怒りに満ちた声で会長が莉奈を指さす。
ファンクラブ会長「鬼龍院様とデートしてたのは分かってるのよ!」
声を荒らげ莉奈に迫ってくる。
迫力が凄まじく、莉奈は固まってしまった。
男性モデルA「つかぴー、ラブラブすぎて羨ましいな」
鬼龍院司「これくらい普通さ。なんならキスでも見せようか?」
川崎莉奈「つ、司先輩、いきなり何を言ってるんですかっ」
顔を真っ赤にして莉奈は激しく動揺する。
川崎莉奈(きっと冗談だよね…)
(人前でキスなんて恥ずかしすぎるよ)
鬼龍院司「冗談さ。さっ、莉奈、俺達は昼飯でも食って帰ろうぜ」
莉奈の手を握る司。
動揺したままの莉奈を連れて、撮影現場をあとにした。
○駅までの道(お昼)
鬼龍院司「莉奈は何が食べたいんだ?」
川崎莉奈「そ、そうですねー、私は…パフェが食べたいです」
(パフェとか子供っぽかったかな)
鬼龍院司「任せな、激ウマの喫茶店を知ってるぜ」
司にエスコートされながら喫茶店へと向かう。
歩いて数分の場所に司オススメの喫茶店があった。
○喫茶店(お昼)
レトロな造りの喫茶店はお客がそこそこ入ってる。
空いてる席に向かい合う形で2人は座った。
鬼龍院司「俺はサンドイッチとコーヒーのセットにするかな」
川崎莉奈「パフェと…ピザトーストにします」
鬼龍院司「それじゃ店員呼ぶぜ。すみませーん、注文をお願いしたいんだけど」
司の声が店内に響き渡る。
店員がすぐに来ると司がオーダーした。
鬼龍院司「ところで莉奈、撮影現場で何かあったのか? 落ち込んでいたように見えたが」
鋭い司の指摘に莉奈の心が反応した。
一瞬だけ体がビクッと動く。
川崎莉奈「そんな事──」
鬼龍院司「莉奈、俺を信じて話してくれないか?」
川崎莉奈(司先輩の目、真剣だよ)
(ここで隠すのは失礼だよね)
莉奈は撮影現場での一件を話そうと決めた。
川崎莉奈「実はスタッフさんと話していて──」
莉奈は隠さず全てをありのまま話した。
つかさの瞳は常に真剣だった。
鬼龍院司「そんな事があったんだな。だが気にするな、莉奈は俺がいいだろ」
川崎莉奈「司先輩…」
(そうだよね、高望みしちゃダメだよね)
(私には司先輩がいるんだし)
司の器の大きさに莉奈は安心する。
コンプレックスも司がいるから耐えられた。
鬼龍院司「莉奈、口元にトマトソースがついてるぞ」
川崎莉奈「ふぇっ!?」
恥ずかしさが爆発し莉奈は耳まで真っ赤に染まった。
鬼龍院司「ほれ、仕方がないな」
ゆっくりと莉奈の顔へ手を伸ばす司。
優しい手つきで莉奈の顔からトマトソースを拭き取った。
川崎莉奈「──!?」
莉奈の思考は大爆発。
しおらしくなり、そのまま小さくなった。
鬼龍院司「これで美しい顔に戻ったぞ」
川崎莉奈「う、うん…」
(いきなりはずるいよ…)
(司先輩の顔、まともに見れないや)
瞳が潤み莉奈は視線を下に向けた。
鬼龍院司「顔が赤いが熱でもあるのか?」
再び司の手が莉奈のおでこへ伸びてきた。
川崎莉奈「な、ないから。熱なんてないから大丈夫です」
慌てて司の手を掴む莉奈。
真っ赤な顔に加え心音も大きくなっていた。
鬼龍院司「それなら安心だが…」
川崎莉奈(もぅ…。司先輩はいきなりすぎるんだもん…)
胸のドキドキは止まる気配がない。
莉奈は心地よい音色に身を委ねた。
○帰りの電車(お昼すぎ)
司と莉奈の手は繋がったまま。
乗っている人はほとんどおらず、イスに並んで座っていた。
川崎莉奈「今日はありがとうございます。とても楽しかったですよ」
鬼龍院司「そう言われると俺も嬉しいぜ」
普通の会話が嬉しく莉奈の顔は笑顔になった。
川崎莉奈(司先輩の肩に寄りかかっていいのかな…)
(変な女って思われたりしないよね…)
心の中で迷い続ける莉奈。
何度も横目で司の様子を伺う。
タイミングが見つからず諦めかけていると、電車が大きく揺れた。
川崎莉奈「きゃっ」
鬼龍院司「莉奈、大丈夫か?」
急停止した反動で莉奈の頭は司の肩の上にあった。
川崎莉奈(は、早くどかなくちゃ…)
そう思うも体が言う事を聞いてくれない。
密着しているのが気持ちよくなってしまった。
鬼龍院司「莉奈っていい匂いがするな」
川崎莉奈「つ、司先輩、何を言って…」
不意打ちの発言に莉奈は激しく動揺する。
鼓動が速くなり顔は真っ赤。
頭だけは司の肩から離れなかった。
鬼龍院司「素直な感想を言っただけだが、問題でもあったか?」
川崎莉奈「そ、そういう問題じゃないです…。その、嬉しいんですけど恥ずかしくて…」
(うぅ…。司先輩はストレートすぎるんだもん)
胸の高鳴りが収まる気配はない。
トドメの一撃で司が莉奈の頭を撫でる。
心地よさに莉奈はゆっくり目を閉じた。
○駅前(昼すぎ)
改札を出るまで手は繋いでいた。
2人とも名残惜しい顔でその手を離した。
川崎莉奈「いい思い出になりました」
鬼龍院司「俺の方こそ楽しかったぜ」
笑顔で見つめる2人。
幸せなオーラが溢れ出ていたを
鬼龍院司「そうだ、俺は明日も撮影があるから学校を休む必要があるんだ」
川崎莉奈「そうですか…」
莉奈は寂しげな表情を見せる。
鬼龍院司「本当にすまない。莉奈を悲しませるなど俺の失態だ。必ず埋め合わせはするからな」
川崎莉奈「寂しいですけど、私、我慢します。お仕事なんで仕方ないですから」
明るい笑顔で莉奈は答えた。
帰る方向が逆であったが、2人は何度も振り返った。
○学校・教室(お昼休み)
久しぶりに莉奈はお昼休みをひとりで過ごす。
自席で食べようとしていると、見知らぬ人が声をかけてきた。
ファンクラブメンバーA「アナタが川崎莉奈ね?」
川崎莉奈「そうですけど…」
鋭い目つきで莉奈を睨むメンバー。
鬼気迫る迫力があった。
ファンクラブメンバーA「ちょっと来てくれないかしら。言っておくけど拒否権はないから」
川崎莉奈「えっ…」
反論する暇なく莉奈は連れ去られる。
どこへ行くのか莉奈の心は不安でいっぱいだった。
○学校・裏庭(お昼休み)
連れていかれた先には女子生徒が数名いた。
全員腕組みで莉奈を威嚇しているようであった。
ファンクラブメンバーA「会長、連れて来ました」
ファンクラブ会長「ご苦労だったね。本当にこの子で間違いないのね?」
ファンクラブメンバーB「間違いありません」
異様な空気が流れる。
好意的ではないのは確かで、莉奈の心は恐怖に支配されていた。
川崎莉奈「あ、あの…。私が何かしましたか?」
勇気を振り絞り小声で理由を尋ねる。
ファンクラブ会長「心当たりすらないの? それじゃ教えてあげる」
怒りに満ちた声で会長が莉奈を指さす。
ファンクラブ会長「鬼龍院様とデートしてたのは分かってるのよ!」
声を荒らげ莉奈に迫ってくる。
迫力が凄まじく、莉奈は固まってしまった。