第四幕、御三家の幕引
「こう見ると全然違うよなー。俺達ずっと見てるからずっと同じ顔な気がしてるけど」
「年を経るごとに性格が悪化してるからな、総の場合は」
「私はこっちの可愛い松隆くんのほうがいいけどなぁー、でもこれ松隆くんって感じしないよね。すごくいい子そうだし。世間の女の子は王子様より似非王子のほうが好きなんだね」
「お前すげぇ総のことディスるよな」
「違うよ違うよ、褒めてるよ」
そういえば、昔よしりんさんか誰かにも言われたな、女の子はちょっと影がある男のほうが好きだって。だから余計モテ始めたのかな。
「つか、今日のアイツ変だったな」
「変態なのはいつものことじゃ?」
「お前本当アイツのことどういう目で見てんだよ」
「俺にはいつも通りに見えたが」
「アイツ、仲良くもない女子相手にあそこまで毒吐き散らさないじゃん、普段は」
あぁ、そうなんだ……。はっきりと好意を向けられてる様子を見ないから知らないだけだと思ったけど、あれは珍しいほうなんだ……。
「なんか、いい加減耐えかねるっていうか。そんな感じだったよなぁ」
「今まではここまで酷くなかったんでしょ? そのせいなんじゃないの?」
「んー、それだけじゃないような気が……」
うーん、と桐椰くんだけが首を捻っていたけれど、きっと気のせいなんじゃないの、と私と月影くんで宥めて終わった、松隆くんの誕生日。
それが桐椰くんの気のせいではなかったのだと判明したのは、その次の日の朝だった。
「ちょ、ちょっと、桐椰くん!」
教室に見知らぬ女子二人が飛び込んできたかと思えば、鬼気迫る勢いで桐椰くんのもとへ駆け寄ってきた。
「薄野さんと松隆くんが付き合ってるって本当!?」
「は?」
速報、といわんばかりの勢いで飛び込んできたニュースに、桐椰くんは間抜けな声を出したし、私もポカーンと口を開けて二人を見て、次の瞬間にクラス中でどよめきの声が上がった。
「え、え?」
「本当なの!? どうなの!?」
「いや、俺は何も聞いてないけど……」
「ほら桐椰くんが聞いてないってことは絶対違うって!」
「でも私、確かに聞いたんだってば!」
「いや、一体何がどういう……」
「年を経るごとに性格が悪化してるからな、総の場合は」
「私はこっちの可愛い松隆くんのほうがいいけどなぁー、でもこれ松隆くんって感じしないよね。すごくいい子そうだし。世間の女の子は王子様より似非王子のほうが好きなんだね」
「お前すげぇ総のことディスるよな」
「違うよ違うよ、褒めてるよ」
そういえば、昔よしりんさんか誰かにも言われたな、女の子はちょっと影がある男のほうが好きだって。だから余計モテ始めたのかな。
「つか、今日のアイツ変だったな」
「変態なのはいつものことじゃ?」
「お前本当アイツのことどういう目で見てんだよ」
「俺にはいつも通りに見えたが」
「アイツ、仲良くもない女子相手にあそこまで毒吐き散らさないじゃん、普段は」
あぁ、そうなんだ……。はっきりと好意を向けられてる様子を見ないから知らないだけだと思ったけど、あれは珍しいほうなんだ……。
「なんか、いい加減耐えかねるっていうか。そんな感じだったよなぁ」
「今まではここまで酷くなかったんでしょ? そのせいなんじゃないの?」
「んー、それだけじゃないような気が……」
うーん、と桐椰くんだけが首を捻っていたけれど、きっと気のせいなんじゃないの、と私と月影くんで宥めて終わった、松隆くんの誕生日。
それが桐椰くんの気のせいではなかったのだと判明したのは、その次の日の朝だった。
「ちょ、ちょっと、桐椰くん!」
教室に見知らぬ女子二人が飛び込んできたかと思えば、鬼気迫る勢いで桐椰くんのもとへ駆け寄ってきた。
「薄野さんと松隆くんが付き合ってるって本当!?」
「は?」
速報、といわんばかりの勢いで飛び込んできたニュースに、桐椰くんは間抜けな声を出したし、私もポカーンと口を開けて二人を見て、次の瞬間にクラス中でどよめきの声が上がった。
「え、え?」
「本当なの!? どうなの!?」
「いや、俺は何も聞いてないけど……」
「ほら桐椰くんが聞いてないってことは絶対違うって!」
「でも私、確かに聞いたんだってば!」
「いや、一体何がどういう……」