第四幕、御三家の幕引
十二、遠き日の影を探して
──救えなかった君を、救えた方法を、今でも探している。
ザリ、と砂利を踏む音が聞こえた。顔を上げたけれど、墓参りに来る候補のうちの一人だったから、体ごと向き直って短い挨拶をしただけになった。
「……来てたのか」
ポツンと、宛先を失ったような声が、虚しく落ちた。
ザリ、と砂利を踏む音が聞こえた。顔を上げたけれど、墓参りに来る候補のうちの一人だったから、体ごと向き直って短い挨拶をしただけになった。
「……来てたのか」
ポツンと、宛先を失ったような声が、虚しく落ちた。