第四幕、御三家の幕引
「なんでそこまで言うの!? ねえ!? 私だって鹿島くんと付き合うの大変だったんだけど!?」
「その条件を飲んだのは桜坂でしょ」
「だからなんで!? なんでそんなに冷たいこと言うのー! 毎日毎日わざわざ生徒会室に行って鹿島くんの横でお昼食べて他の女子にも嫌味言われてたのにー!」
「だから、そういう立場の辛さまで含んだ条件を飲んだんだよね」
「……松隆くんのばか」
顔を両手で覆った。もう松隆くんからのフォローなんて期待しない。桐椰くんは御三家唯一の良心のくせに口数が少ないし。……いや、桐椰くんが一番腹を立ててる可能性もある、私には何かを言う権利などない。
「まあそれはさておき、そういうことならとっとと鹿島と別れて物理的にも離れておきなよ。鹿島は関係ないんだろうけど、わざわざ桜坂を彼女として留めてるってことは何かしら理由はあるのかもしれないしね」
「……そうですね……」
「鶴羽の居場所が分かればよかったんだけどね、そこまでは書いてないし……。まあ、高校中退で金があるわけでもないし、友達のところを転々としてるか、特定の誰かのところに居座ってるのかな」
「存外、鹿島の家にいるんじゃないか」
「ありそうな話だよね。ここに何も書いてないってことは深古都さんが居場所を掴めないってことなんだろうし」
すっかり落ち込んだ私を後目に、松隆くんと月影くんは会議を続ける。この人達、人の血が通ってないとまではいわないけど、薄いんじゃないかな。
桐椰くんがだんまりなのは気になるけど、これが藪だってことくらい私にも分かる。何も言わずにおこう。
「そうなると……後手に回ることを前提に先手を打てばいいか」
「そうだな。まあ鶴羽がどれだけ集めるかにもよるが」
「ああ、駿哉もそう思う? でもそれも先手のうちだよ。桜坂との約束は破ることになるかもしれないけど」
「約束?」
松隆くんと月影くんが二人だけでこそこそ通じ合っているかと思ったら、不可解なキーワードが出てきた。私、松隆くんと何か約束なんてしたっけ。
「何の話?」
「ああ、覚えてない? 覚えてないならいいよ」
「なに!?」
「今日の君はナニナニ星人だな。ナンデナンデ星人でもいい」
「月影くんらしくない馬鹿に仕方をするじゃん!」
「その条件を飲んだのは桜坂でしょ」
「だからなんで!? なんでそんなに冷たいこと言うのー! 毎日毎日わざわざ生徒会室に行って鹿島くんの横でお昼食べて他の女子にも嫌味言われてたのにー!」
「だから、そういう立場の辛さまで含んだ条件を飲んだんだよね」
「……松隆くんのばか」
顔を両手で覆った。もう松隆くんからのフォローなんて期待しない。桐椰くんは御三家唯一の良心のくせに口数が少ないし。……いや、桐椰くんが一番腹を立ててる可能性もある、私には何かを言う権利などない。
「まあそれはさておき、そういうことならとっとと鹿島と別れて物理的にも離れておきなよ。鹿島は関係ないんだろうけど、わざわざ桜坂を彼女として留めてるってことは何かしら理由はあるのかもしれないしね」
「……そうですね……」
「鶴羽の居場所が分かればよかったんだけどね、そこまでは書いてないし……。まあ、高校中退で金があるわけでもないし、友達のところを転々としてるか、特定の誰かのところに居座ってるのかな」
「存外、鹿島の家にいるんじゃないか」
「ありそうな話だよね。ここに何も書いてないってことは深古都さんが居場所を掴めないってことなんだろうし」
すっかり落ち込んだ私を後目に、松隆くんと月影くんは会議を続ける。この人達、人の血が通ってないとまではいわないけど、薄いんじゃないかな。
桐椰くんがだんまりなのは気になるけど、これが藪だってことくらい私にも分かる。何も言わずにおこう。
「そうなると……後手に回ることを前提に先手を打てばいいか」
「そうだな。まあ鶴羽がどれだけ集めるかにもよるが」
「ああ、駿哉もそう思う? でもそれも先手のうちだよ。桜坂との約束は破ることになるかもしれないけど」
「約束?」
松隆くんと月影くんが二人だけでこそこそ通じ合っているかと思ったら、不可解なキーワードが出てきた。私、松隆くんと何か約束なんてしたっけ。
「何の話?」
「ああ、覚えてない? 覚えてないならいいよ」
「なに!?」
「今日の君はナニナニ星人だな。ナンデナンデ星人でもいい」
「月影くんらしくない馬鹿に仕方をするじゃん!」