第四幕、御三家の幕引
「月影くんのことだから絶対そう言うと思った」
「俺達は最近外食増えてるからね、気を遣ってるんだよ」
「なんで増えてるの?」
「土日まで弁当作る気になんねーからな」
答えになってない。まあ、予備校か遊びかは知らないけど、どうせ土日のお昼は御三家で仲良く食べてるって話だろう。本当に仲良し過ぎるな。
「で、話を戻すけど。一応、俺達なりに鶴羽の動きに予想はつけてるんだ」
「そういえば、この間そんな話してたね。結局なに?」
「予想の一つは、君を人質に総と遼を誘き寄せて叩く。要は夏の菊池の件と同じことだな。あれが色々と未遂に終わったのは鶴羽なりの誤算だったんだろう」
ゾッ、とその時のことを思い出して背筋が震えた。光景が一緒にフラッシュバックして、自分が硬直してしまったのが分かった。
そんな私の様子を敏感に感じ取ったのか、桐椰くんがすぐに「あんま心配することじゃねーよ。計画としては有り得ても成功はしねーだろうな、って思ってる」と否定的な評価をした。松隆くんも即座に頷く。
「学校外で桜坂を俺達以外と二人にしなければいい話だからね。防ぐのは難しくない。学校の中で何かするにしても、入って来ることができるのはせいぜい鶴羽一人。女子一人拉致するのはね、夏の菊池みたいな特殊事情がないと中々できないことだと思うよ」
お陰で、緩やかに動悸が収まっていく。そうだ、御三家なら同じ轍は踏まない……。そして鶴羽樹もそのくらいは分かってるだろう。それなら、そもそも鶴羽樹の計画は頓挫してくれるかもしれない。
「もう一つの予想のほうは、これまでの流れからして筋は通るし、成功という点での確率は高いかもしれないけど、いまいち目的がよく分からないな、ってなってる」
「なに?」
「遼に背格好が似た半田って先輩が襲われた話、あっただろ。あれはね、多分噂になることに意味があったんじゃないかって俺達は踏んでる」
月影くんが話していたことのヒントを貰ったような気分だった。でも、それだけでは、多分三人のいう答えには辿り着けそうにない。
「……噂になることに意味があるってことは、桐椰くんはそういう不良に襲われるような危ない人で、生徒会の副会長になんか相応しくないってなるとか?」
「俺達は最近外食増えてるからね、気を遣ってるんだよ」
「なんで増えてるの?」
「土日まで弁当作る気になんねーからな」
答えになってない。まあ、予備校か遊びかは知らないけど、どうせ土日のお昼は御三家で仲良く食べてるって話だろう。本当に仲良し過ぎるな。
「で、話を戻すけど。一応、俺達なりに鶴羽の動きに予想はつけてるんだ」
「そういえば、この間そんな話してたね。結局なに?」
「予想の一つは、君を人質に総と遼を誘き寄せて叩く。要は夏の菊池の件と同じことだな。あれが色々と未遂に終わったのは鶴羽なりの誤算だったんだろう」
ゾッ、とその時のことを思い出して背筋が震えた。光景が一緒にフラッシュバックして、自分が硬直してしまったのが分かった。
そんな私の様子を敏感に感じ取ったのか、桐椰くんがすぐに「あんま心配することじゃねーよ。計画としては有り得ても成功はしねーだろうな、って思ってる」と否定的な評価をした。松隆くんも即座に頷く。
「学校外で桜坂を俺達以外と二人にしなければいい話だからね。防ぐのは難しくない。学校の中で何かするにしても、入って来ることができるのはせいぜい鶴羽一人。女子一人拉致するのはね、夏の菊池みたいな特殊事情がないと中々できないことだと思うよ」
お陰で、緩やかに動悸が収まっていく。そうだ、御三家なら同じ轍は踏まない……。そして鶴羽樹もそのくらいは分かってるだろう。それなら、そもそも鶴羽樹の計画は頓挫してくれるかもしれない。
「もう一つの予想のほうは、これまでの流れからして筋は通るし、成功という点での確率は高いかもしれないけど、いまいち目的がよく分からないな、ってなってる」
「なに?」
「遼に背格好が似た半田って先輩が襲われた話、あっただろ。あれはね、多分噂になることに意味があったんじゃないかって俺達は踏んでる」
月影くんが話していたことのヒントを貰ったような気分だった。でも、それだけでは、多分三人のいう答えには辿り着けそうにない。
「……噂になることに意味があるってことは、桐椰くんはそういう不良に襲われるような危ない人で、生徒会の副会長になんか相応しくないってなるとか?」