大丈夫、浮気じゃないから。
紘は、私とは2つ離れたテーブルに座っていた。テーブルのメンバーは男ばかりだった。
「はぁーっ、今年も終わったぁ」
丸太先輩が生ビールを飲み干し「ぷはぁっ」と男らしく息継ぎをする。烏間先輩のほうが大人しい態度でビールを飲みながら「まだ2週間ちょいあるだろ。でも終わりだなあ」と頷いた。
「今年は忘年会じゃなくて忘念会やわ。なんもかんも忘れることにした」
「なにかあったんですか?」と茉莉。
「彼氏にフラれたんだって」と烏間先輩。
「クリスマス目前に乗り換えられたわ、ほんま腹立つ」
ダンッと丸太先輩は空っぽのグラスをテーブルに叩きつける。烏間先輩が横からビールを注ぎ、丸太先輩は注がれたそばからグラスを空にする。忘年会はスタートからトップスピードだ。
「ただフラれるならええねん、それならまだ許せる。でも乗り換えはあかんやろ。どっかで付き合ってる期間被ってるってことやから裏切りやん」
「浮気相手、どんなだったんだよ」
「あたしと真逆でふわふわ可愛い系やったわ。しかも酒は弱い!」
臆せず切り込んでくる烏間先輩を睨みながら、丸太先輩は苦々し気に言い放った。丸太先輩は黒髪でショートカット、しかも身長は170センチ近く、自他ともに認めるサバサバ系で、その性格にぴったりな酒豪だった。
「あたしがお前の晩酌に何度付き合ってやったと思ってんねん。お前みたいな酒好きにとって酒飲めん彼女なんてヴァーチャル彼女と大差ないからな。絶対苦労するからな! 覚えてろよ!」
「そのうち酒飲める彼女のありがたみが分かって戻ってくるんじゃね」
「フラれた男に追いすがるほど女|廃ってないわ」
「丸太先輩、かっこよすぎでしょ」
男の後輩・馬口をもってしてそう言わしめ、丸太先輩は「ふんっ」と更にビールを煽った。
「なんか面白い話聞きたいわ。馬口なんか話して」
「えー……いやそんなこと急に言われても……」
「そういえば馬口、告った相手が先輩の元カノだったって話、本当?」と早速松隆。
「なんでそれをバラすんだよ!」
白羽の矢を立てられた馬口が顔を真っ赤にして狼狽する。向かい側の烏間先輩は「あー、俺もその話聞いた」と頷いた。
「はぁーっ、今年も終わったぁ」
丸太先輩が生ビールを飲み干し「ぷはぁっ」と男らしく息継ぎをする。烏間先輩のほうが大人しい態度でビールを飲みながら「まだ2週間ちょいあるだろ。でも終わりだなあ」と頷いた。
「今年は忘年会じゃなくて忘念会やわ。なんもかんも忘れることにした」
「なにかあったんですか?」と茉莉。
「彼氏にフラれたんだって」と烏間先輩。
「クリスマス目前に乗り換えられたわ、ほんま腹立つ」
ダンッと丸太先輩は空っぽのグラスをテーブルに叩きつける。烏間先輩が横からビールを注ぎ、丸太先輩は注がれたそばからグラスを空にする。忘年会はスタートからトップスピードだ。
「ただフラれるならええねん、それならまだ許せる。でも乗り換えはあかんやろ。どっかで付き合ってる期間被ってるってことやから裏切りやん」
「浮気相手、どんなだったんだよ」
「あたしと真逆でふわふわ可愛い系やったわ。しかも酒は弱い!」
臆せず切り込んでくる烏間先輩を睨みながら、丸太先輩は苦々し気に言い放った。丸太先輩は黒髪でショートカット、しかも身長は170センチ近く、自他ともに認めるサバサバ系で、その性格にぴったりな酒豪だった。
「あたしがお前の晩酌に何度付き合ってやったと思ってんねん。お前みたいな酒好きにとって酒飲めん彼女なんてヴァーチャル彼女と大差ないからな。絶対苦労するからな! 覚えてろよ!」
「そのうち酒飲める彼女のありがたみが分かって戻ってくるんじゃね」
「フラれた男に追いすがるほど女|廃ってないわ」
「丸太先輩、かっこよすぎでしょ」
男の後輩・馬口をもってしてそう言わしめ、丸太先輩は「ふんっ」と更にビールを煽った。
「なんか面白い話聞きたいわ。馬口なんか話して」
「えー……いやそんなこと急に言われても……」
「そういえば馬口、告った相手が先輩の元カノだったって話、本当?」と早速松隆。
「なんでそれをバラすんだよ!」
白羽の矢を立てられた馬口が顔を真っ赤にして狼狽する。向かい側の烏間先輩は「あー、俺もその話聞いた」と頷いた。