白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。

 フランカに告白?
 デュランデル殿下め、絶対に楽しんでいるな。そういえばアルフレート殿下の婚約者も似たようなことをされたと言っていたが、あの男は暇なのか。あと連絡もなしに、こないでほしいものだ。

「ちなみに王太子殿下も、旦那様が留守の際に訪問なさいましたわ。そして同じようにプロポーズの言葉を述べたのですよ。皆様、旦那様のことを大切に思っているのですね」
「(アイツもか!)……フランカ、今後その二人が屋敷を訪れても、私がいなければ追い返してしまっていいからな」
「流石にご友人を返すのは……。お二人とも私が旦那様の妻に相応しいか試しているようでしたから、認めて頂けるように頑張りますわ」
「(妻が可愛い……。あの二人の悪意をそう取るなんて……やっぱり天使だ!! この世界で一番美しくて、最高の女性で間違いない)……無理だけはしないでくれ。私の妻でいてくれるだけで、私はとても嬉しい」
「はい」

 フランカはおずおずと私に寄り添い「心配しなくても、私は旦那様一筋ですわ」と囁いた。それは反則だと思う。私の嫉妬心は漏れていたのかフランカから寄り添い、耳元で囁く言葉に溜飲が下がった。

 妻、最高。
 今までどうやって心臓の音を高鳴らせていたのか、何を楽しみに生きてきたのか思い出せそうにない。嬉しすぎて、本来の姿に戻ってもフランカは「まあ」と嬉しそうにするばかりで、私を恐れない。むしろ積極的に触れてくる。
 愛されていると実感するたびに、愛する気持ちが溢れて止まらない。好きだ、愛している。

「フランカ、愛している」
「私も愛していますわ」

 キスをするとケーキよりも甘くて、酩酊しそうになる。キスを繰り返すと、フランカは顔を真っ赤にしながら、続きは屋敷に戻ってからです、とこれまた可愛いことを言ってくる。
 フランカを抱き上げて膝の上に乗せると、身を委ねてくれることが嬉しい。愛おしい。番紋を刻んだことで、フランカからは常に甘い花のような香りを出して、私を魅了する。

「じゃあ、いつものように食べさせてくれるか」
「ふふっ、わかりましたわ」

 もうどんなことがあっても、君を手放すことはできなくなってしまったのだから。たくさん愛して、その愛に溺れて貰わなければ──。
 白い結婚も卒業して、三年目にして私たちは本当の夫婦になった。だからこの先、二度と離縁の危機に陥らないようたっぷりと愛して、甘やかして、私なしでは生きられないようにしよう。

 私がすでにフランカなしでは生きていけないのだから、いいだろう?

 
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