極道に過ぎた、LOVE STORY
「私の彼はすごく優しくて、私の事を大事にしてくれてた。良いバイトが見つかったって言ってたのに、詐欺に加担したのよ。たっくんは知らなかったはず。轟川組が絡んでいたって、彼の友達から聞いたのよ! まさか、警察に捕まるなんて、私、これからどうすればいいのよ!」
「分かった。私の方でも、調べてみる。だけど、そもそも何故、あなたの彼は、そんなバイトに手を出したの?」
「それは…… お金に困っていたみたいで」
「そうでしょうね。あなたも、彼にお金を貸しているんじゃない?」
「えっ? でも、好きだったの。彼も私を好きだって言ってくれてた」
「バカじゃないの」
「はっ? 何よ! 騙したくせに!」
「どんなに好きだったか知らないけど、そんなバイトに手を出すほどお金に困っていた男を信用して大丈夫?」
「あんたに何が分かるのよ。彼だけだった。他の子達は、いつも私に逆らわずチヤホヤするだけ。でも彼は違ったた、私の事を必要だって言ってくれた」
「そう。あなたの何が必要だったのかしらね? あなたのこと? それともあなたのお金?」
「何よ! あんた、私が誰だかわかって言ってるの?!」
「さあ、知らないわ」
格好つけているわけでもない。本当に知らないのだから仕方ない。
「はっ? そんな人がこの大学にいるの? 私は長岡総合病院、病院長の娘。長岡玲香。私に逆らったら、医者になんてなれなくなるかもしれないのよ! あんただって!」
「私は、轟川組三代目組長の娘。逆らったら命がないかもね?」
「うっ……」
玲香は悔しそうに唇を噛んだ。
「あなた、そんな大きな病院の娘なら、当然、医者になるためにこの大学にいるんでしょ? そんな借金だらけのくだらない男を相手にしてどうするの? 警察に捕まったのは自業自得だ。私のせいでもなければ、あなたのせいでもない」
「もう〜 私はどうしたらいいのよ」
玲香はその場に崩れた。
「知らない。でも、私にブランド物のバックを投げつけてきたのはあなたが始めて。その度胸があれば、何でも出来るでしょ。それに、長岡総合病院背負って、皆んなあなたの言いなりなんでしょ? 医療の世界もあなたの言いなりか……」
私は、くるりとむきを変えて、玲香に背を向けた。
「あなた…… バカなの?」
「はあ? 失礼ね」
そのまま去るつもりだったのに、思わず振り向いてしまった。
「そんな事、考えもしなかった。ただただ、医者にるだけだって……」
「私も最近知った。自分が身につけてきたものは、最大の武器にすればいいんだと言われた」
今度こそ、玲香の元から離れた。自分だけが、家柄に苦しんで来たと思ったが、世間で羨ましがられる家柄でも、同じ孤独を感じる人間もいるのかもしれない。
廊下を曲がっると、ソファーの影に向かって言った。
「隠れてないで、助けてくれても良かったんじゃない?」
「あっ。やっぱり、バレてたか?」
ソファーの影から、ひょっこりと康が顔を覗かせた。
「呆れた」
私は、康を無視して歩き出した。
「そう言うなって。助けようと思ったけど、俺の出る幕なかったんだよ。ソフトクリーム奢るから、機嫌直せよ」
「いらない」
それでも麗香の話が気になり、羽柴に詐欺に加担したと言いう男について調べるよう命じた。本当に、轟組がかかわっているのだろうか?
「分かった。私の方でも、調べてみる。だけど、そもそも何故、あなたの彼は、そんなバイトに手を出したの?」
「それは…… お金に困っていたみたいで」
「そうでしょうね。あなたも、彼にお金を貸しているんじゃない?」
「えっ? でも、好きだったの。彼も私を好きだって言ってくれてた」
「バカじゃないの」
「はっ? 何よ! 騙したくせに!」
「どんなに好きだったか知らないけど、そんなバイトに手を出すほどお金に困っていた男を信用して大丈夫?」
「あんたに何が分かるのよ。彼だけだった。他の子達は、いつも私に逆らわずチヤホヤするだけ。でも彼は違ったた、私の事を必要だって言ってくれた」
「そう。あなたの何が必要だったのかしらね? あなたのこと? それともあなたのお金?」
「何よ! あんた、私が誰だかわかって言ってるの?!」
「さあ、知らないわ」
格好つけているわけでもない。本当に知らないのだから仕方ない。
「はっ? そんな人がこの大学にいるの? 私は長岡総合病院、病院長の娘。長岡玲香。私に逆らったら、医者になんてなれなくなるかもしれないのよ! あんただって!」
「私は、轟川組三代目組長の娘。逆らったら命がないかもね?」
「うっ……」
玲香は悔しそうに唇を噛んだ。
「あなた、そんな大きな病院の娘なら、当然、医者になるためにこの大学にいるんでしょ? そんな借金だらけのくだらない男を相手にしてどうするの? 警察に捕まったのは自業自得だ。私のせいでもなければ、あなたのせいでもない」
「もう〜 私はどうしたらいいのよ」
玲香はその場に崩れた。
「知らない。でも、私にブランド物のバックを投げつけてきたのはあなたが始めて。その度胸があれば、何でも出来るでしょ。それに、長岡総合病院背負って、皆んなあなたの言いなりなんでしょ? 医療の世界もあなたの言いなりか……」
私は、くるりとむきを変えて、玲香に背を向けた。
「あなた…… バカなの?」
「はあ? 失礼ね」
そのまま去るつもりだったのに、思わず振り向いてしまった。
「そんな事、考えもしなかった。ただただ、医者にるだけだって……」
「私も最近知った。自分が身につけてきたものは、最大の武器にすればいいんだと言われた」
今度こそ、玲香の元から離れた。自分だけが、家柄に苦しんで来たと思ったが、世間で羨ましがられる家柄でも、同じ孤独を感じる人間もいるのかもしれない。
廊下を曲がっると、ソファーの影に向かって言った。
「隠れてないで、助けてくれても良かったんじゃない?」
「あっ。やっぱり、バレてたか?」
ソファーの影から、ひょっこりと康が顔を覗かせた。
「呆れた」
私は、康を無視して歩き出した。
「そう言うなって。助けようと思ったけど、俺の出る幕なかったんだよ。ソフトクリーム奢るから、機嫌直せよ」
「いらない」
それでも麗香の話が気になり、羽柴に詐欺に加担したと言いう男について調べるよう命じた。本当に、轟組がかかわっているのだろうか?