極道に過ぎた、LOVE STORY
あれから三年……
ロサンゼルスからの飛行機を降り、到着ロビーに向かいながらスマホの電源を入れる。二年ぶりの日本の懐かしい空気を感じた。
スマホの画面には、幾つもの着信歴がある。全て花岸病院からだ。
長岡病院で研修医を終えた後、二年間のアメリカ留学を決めた。戻ってきた日本で、花岸病院での就職が決まっていたが、一週間ほど先の話だったはず。
とりあえず、花岸病院の名をスライドした。
「花岸病院です」
「何度かお電話頂いている、轟川ですが」
「あっ。幸先生?」
もしかして、この声……
「そうだけど、あれ? 矢澤さん?」
「今どこですか?」
「成田に着いたところだけど?」
「急いで来て頂けませんか? 近くで大きな爆破事故があって、医者が足りません」
「分かったすぐ行く」
電話を切って、到着ロビーを走って抜けると、懐かしい羽柴の顔があった。
「お嬢、おかえりなさいませ」
「羽柴、すまない。花岸病院に向かってくれ!」
「わかりました」
羽柴は、私の様子で大体の事を察したのだろう。
私からスーツケースを引き取ると、走り出した。私もその後を追う。
車の前には、運転手ともう一人の男が待っていた。
車に乗り込むとすぐに、羽柴がタブレットを広げた。
「これですか?」
画面には、爆破事故のニュースが流れている。
「それだ。うちの島か?」
「近いですが、違います。組の者も巻き込まれた情報は入っていません。花岸病院に多くの怪我人が運ばれているようで、先ほど組の者から連絡が入ってます」
「分かった。急いでくれ」
ロサンゼルスからの飛行機を降り、到着ロビーに向かいながらスマホの電源を入れる。二年ぶりの日本の懐かしい空気を感じた。
スマホの画面には、幾つもの着信歴がある。全て花岸病院からだ。
長岡病院で研修医を終えた後、二年間のアメリカ留学を決めた。戻ってきた日本で、花岸病院での就職が決まっていたが、一週間ほど先の話だったはず。
とりあえず、花岸病院の名をスライドした。
「花岸病院です」
「何度かお電話頂いている、轟川ですが」
「あっ。幸先生?」
もしかして、この声……
「そうだけど、あれ? 矢澤さん?」
「今どこですか?」
「成田に着いたところだけど?」
「急いで来て頂けませんか? 近くで大きな爆破事故があって、医者が足りません」
「分かったすぐ行く」
電話を切って、到着ロビーを走って抜けると、懐かしい羽柴の顔があった。
「お嬢、おかえりなさいませ」
「羽柴、すまない。花岸病院に向かってくれ!」
「わかりました」
羽柴は、私の様子で大体の事を察したのだろう。
私からスーツケースを引き取ると、走り出した。私もその後を追う。
車の前には、運転手ともう一人の男が待っていた。
車に乗り込むとすぐに、羽柴がタブレットを広げた。
「これですか?」
画面には、爆破事故のニュースが流れている。
「それだ。うちの島か?」
「近いですが、違います。組の者も巻き込まれた情報は入っていません。花岸病院に多くの怪我人が運ばれているようで、先ほど組の者から連絡が入ってます」
「分かった。急いでくれ」