私が聖女でヒロインです!?いいえ、私はモブZ希望します!

02波乱の入学式

 「まぁ、シノアどうしたの?リボンが曲がっていてよ?」

 「緊張しているのか?シノアなら大丈夫だ!」

 なんて会話の中、美味しいはずの朝食は味を感じずに終わり、美形の父と母には入学式で緊張しているのだと勘違いされ、···ある意味違くは無いけれども!

 入学式に入学を取り消したいだなんて言えるはずも無く、登城する兄とは途中まで学園まで一緒に行った。

 やたら広く大きく聳え立つ校門の策の奥には、咲き誇る大量の花のフラワーパーク···いや、花園の中の白い道に続いて城のようにデン!と構えた校舎。

 続く庭には豪華な噴水。

 (あそこに今から通うのかー···)

 佇んで見上げる中で、貴族のご子息や令嬢達が堂々と胸を張り校門を通り抜けて行く。

 あそこをくぐったら最後だ、いや、もう入学が決定しているのだからもう終わったも同然か···いやいやチャンスはまだあると言うか、主要人物と関わらなければいい話だ。

 そうすれば好感度も何も無いし、本来くっ付くべき人物がくっ付くだけの事。

 私はモブ。

 でしゃばらない。

 OK?

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