エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
「なぜだ?俺はお前に…最高の地位を…」

「そんなのいらないです。わたしは就職したい。独り立ちしたいんです」

「お前の性格で、独り立ちは無理だ。お前はわたしに似ている。話すのが苦手だし、一般の会社になど…」

グサリと胸に突き刺さる言葉だ。
けれど、めげない。

「ゲーム会社に入りたいんです。そこでゲームをつくる仕事に携わりたい。幼少期のわたしを支えてくれたのはゲームなんです」

「ゲーム…」

固まっている。
口下手だ。
まるでわたしを見てるよう。

「だが…」

引くつもりはないみたいだ。
なら戦うまでだ。
情報処理の日本最大の権力者である父の妨害があったら就活などままならないし、父を説得するしか就活は成功しない。

「とにかく…ひくつもりはありません。わたしはお父さんの研究室は継げません」

そういうと、立ち上がる。
給仕の人が部屋に入ろうとしていたがわたしは躊躇なく部屋を出た。
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