エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~


「や、な、ぎた…さん?」

次の日の研究室。
朝早くから行って四年生の卒研に向けての準備をそろそろと思って資料を探していたところ、入ってきた桐生さんと風間くんに衝撃的な顔をされて固まらせてしまった。

「えっ?えっ?この間テストの時いた美女じゃん?」

風間くんが鯉みたいにパクパクと口を開閉させている。

「どう言う風の吹き回し?」

桐生さんは眉を怪訝に寄せた。

あ、もしかしてこの人…

「就活のためです」

わたしはできるだけ涼しい顔をして言った。

「もうはじまりますから。就活」

「え?柳田さん就活すんの?ここ残るんじゃないの?」

「はい。就職します。ゲーム作りたいんです。そういう夢があるので」

「ほえー。そうなん…」
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