エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
そのまま資料探しをしていたら風間くんが

「なあなあ柳田さん」

と横にやってくる。

「卒研なんだけどさぁ…」

風間くんが突然好意的になったので桐生さんがムスッとしている。

あ、そうか。この人も結局わたしを哀れに思ってただけだったんだ。

ふっと心の中で笑った。

中学の時を思い出したのだ。

突然やってきた日本の学校。右も左もわからなくて困っていたら助けてくれたかわいい女子がいた。
みんなから好かれているその子はわたしみたいないらない子にも優しく接してくれた。

だからその子みたいになろうと、オシャレして登校し始めた時だ。
突然その子の態度が変わったのだ。

無視されるようになり、1人になった。
図に乗るなと言われた。
< 115 / 262 >

この作品をシェア

pagetop