エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
そんな王子様と今日は目を合わせて話をできた。

こんなの一生で一度の事に違いない。
幸せすぎる…

帰ってベッドの上でごろごろと転がりながらわたしはもだえていた。

「由莉愛ー!いるの?」

母が帰ってきたらしい。

「はーい」

扉をパタンと開けると目の前に母がいた。
小さなマンションだ。
玄関を開けてすぐがわたしの部屋。

「あら、どうしたの?」

「何が?」

「なんか目がキラキラしてる」

「え?」

マジか。あまりにうれしくて顔にでていたのかしら?

「別に何もないよ。で、どうしたの?」

「ほら、これ、買ってきたから食べないかと思って」

母が駅前の焼き鳥の袋を目の前に掲げた。

「あ、それおいしいやつ。けど今から食べるの?」

「まぁたまにはいいじゃん。お母さん明日休みだし。飲みたいなと思って」
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