エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
母はそれでも楽しそうだ。
こんなに清純派美人なのにビール大好きなのだ。
ギャップありまくりだ。

「お父さんそっくり。飲めなくて、頭良くて、んでコミュ力ないとこもね」

「……」

無言でおいしい焼き鳥をほおばる。

「顔はわたしにそっくりなのにね」

そう言ってわたしのおでこをぴんっとつついた。

「大きなお世話よ」

そういうと、わたしは作り置きしてある切り干し大根の煮物を冷蔵庫にとりに行く。

「ん。うっま」

「あ、もうひとつあったわ。料理うまいとこはわたしと似てる」

「それはお母さんが特訓してくれたらうまくなっただけよ」

母は切り干し大根をぱくりと口に入れてぼりぼりと音を立てておいしそうに食べた。
はっきり言って料理は好きだしうまい。
小さい頃から人と関わる以外のことは大抵はやったし、その中で得意だったのが勉強と料理。
スポーツ全般は苦手だ。はっきり言って運動神経がない。
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