エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
「で?今年のクリスマスは?予定なし?」

「は?当たり前でしょ。わたしが予定なんてあるわけないじゃん」

「それもそうか‥」

母が少し視線をそらしたのでちょっとなんかぴんと来てしまった。

「ねぇお母さん。遠慮しなくていいよ。わたしに」

「え?」

「もうわたしも大人だし、お母さんも好きに恋愛してってこと」

もしかしていい人いるんじゃないかって思ったのだ。

母は一瞬真顔でわたしをじっと見た。
けれど、そのあとすぐにケラケラケラと笑うとバシッと肩をたたいたのだ。

「ばーかいってんじゃないわよ。わたしは由莉愛お嫁に行くまで頑張るって決めたんだからね」

そしてそのままおいしそうに焼き鳥と切り干し大根をほおばりつづけた。
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