エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~


その日は油断していたとしか言いようがない。

先日崎本さんに男が多いから気をつけろと言われていたのに…

2月のはじめの週末の金曜日だった。
明日崎本さんに会えるわたしはワクワクしていた。

研究室には朝一で入って用事を済ませてすぐにバイトに行く予定だった。

まだ7時前だった研究室には誰もおらず、わたしはひたすら資料集めだけに集中した。

あとはこのプログラムの構文と…あとこっちと…

パソコンでひたすら操作していく。

ゲームの権威の組んだプログラムは大学のデータベースの中にしか情報がないのだ。

「よし、これで全部とれた」

ふっと息を吐いてPCをバッグの中にしまうと、部屋を出ようとした。

誰もいない間に帰れる。

とその時だ。
パタンと扉が開いて人が入ってきた。

「あ、おはようございます」

ぺこりと頭を下げる。
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