エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
「な…」

恐怖で体が動かない。

「なんだよ。このチャラチャラした服は。この間まで真っ黒な地味な服着ててよー」

次の瞬間、長谷川さんの両手がわたしの両肩をガシッと掴み、拘束するかの如く動かなくされた。わたしはハッとして足をばたつかせる。

「な、何するんですかっ!」

「うるさい。だまれ!」

そしてその顔が近づいてきた。

「いやっ!」

顔を横向けるけど、強引にその唇が近づいてきた。

「や、めっ」

涙が出る。

いや、絶対いや、

どうしよう。
こんな朝早く誰も来ない。
誰か助けてっ!
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