エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
「あと…ちょっと唇周りを拭いた方がいいわ。メイク落としのウエッティあるから使って」

ポイって放り投げられたそれで唇周りのメイクを落とし、ファンデを叩いてなんとか見れるほどに直した。

「すごい」

「何よ」

「そんなものまで持ってるとはさすが桐生さんだなと思いまして」

そういうと、「ふふッ」て桐生さんが笑った。

「やっぱりダメね。わたしあなたのこと好きよ」

「え?」

「なんかずっと最初から好きなの。あなたが綺麗になってわたしの地位おびやかしたから嫌いになろうと思ったけど、なれないわ」

「桐生さん…」
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