エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
横で由莉愛がほけっとした顔で俺を見守っている。

世間話をいくつかはさんだところで、核心をついてみた。

「ところで、佐藤教授。由莉愛と僕をここに今日お呼びいただいた意図を教えていただきたい」

真剣な面差しで言うと、佐藤教授が俺をじっと見た。

「そうだね。キミにはトークで勝てそうにないから、わたしの率直な気持ちを言うことにするよ。なにせ口下手で頭だけがよい偏った男なものでね」

「否定はしません」

「ははは」

佐藤教授が笑った。
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