エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~


バイトの前に資料を持って帰りたくて研究室に寄ると、PCに向って集中している男性がいた。
背の高いすらっとしたまじめそうな男性。
当然眼鏡をかけているインテリ風の男性だ。

邪魔をしないようにそっと奥に入って資料を取ろうとしたのだがどうやら気づいたらしい。

「ああ。柳田さん」

「長谷川さん、お疲れ様です。お邪魔しないように資料とったらすぐ帰りますので」

「え?何か取りに来たの?」

「はい」

「あ、そうだ」

資料をとって出て行こうとしたのだが、声をかけられた。
長谷川さんに声をかけられるなんて珍しいことだ。

「柳田さん、進路どうするのか決めてる?」

進路…?
今日は珍しいことだらけだ。
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