エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
関口理樹だ。
拓海の部下であり、わたしの従兄妹。
最初にマンションやってきた理樹くんを見たときはお互いに無言で指を差し合ってしまった。
「何やってんの?お前」
「理樹くんこそ」
「は?」
拓海が怪訝な顔で眉を顰めていたのを覚えている。
お母さんの姉の息子で日本に戻ってから同じ中学の2つ上で、いつも1人でいるわたしを心配してくれていた。
従兄妹だと言うと「ふーん」と言っていた。
それ以来理樹くんにはこうやって時々会うことがあった。
ホールを開けると理樹くんが玄関にやってきたので拓海が取りに行ってというのでもらいに行く。