エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~


「じゃぁ。和訳しちゃいますね」

近所の図書館のオープンスぺースで持参のPCにパチパチパチと和訳を入力していく。

「すごい…」

今日は白の縄編みセーターにだぶっとしたジーパンというラフスタイルの崎本さんが横で感心しながら見ている。

「あ、へぇ。そこはまたそういう意味なんだ。フランス人の感性ってわかんねぇ」

ぶつぶつつぶやいている崎本さんの気配を後ろに感じるだけでヤバイ。

「俺もフランス語勉強しなきゃなぁ。けど、英語だけで精いっぱいなんだよね」

英語はできるんだ。
そうか、商社マンだって言ってたもんね。

「え?ちょっと待って。そこそういう意味なの?へぇ。じゃぁマニュアル作れっていってるのか。面倒だな。上田につくらせるか…」
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