エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~


連れてきてもらったお店は思っていたのとは違って日本料理だった。
個室だ。
オドオドしてしまわないようにしてもオドオドしてるだろう。きっと。

「由莉愛ちゃん飲める口?」

「い、いえ。わたしは飲めないので、崎本さんは気にせず飲んでください」

「うわ。俺も飲めないよ。一緒だね」

にっこり笑うと向かい合わせで座る。

「崎本さん飲めないんですか?意外です」

「そう?俺飲んだら吐きそうになるんだよね。だから飲む子とご飯行くと気遣わせちゃうからさ。よかったよ。由莉愛ちゃんのめなくって。あ、でよかったかな?和食で」

「はい。和食好きなので」

「へえ。例えば?どんなご飯作るの?」

「えーと、おばんざいものとか作り置きしていて、切り干し大根とかひじきとか、あとは鶏ハムとかも……あ…こんな話しちゃってすみません」
< 34 / 287 >

この作品をシェア

pagetop