エリート商社マンはわたしの王子様～見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか？～

いつも思うのだ。
この笑顔がすっごく寂しそうに見えるって。

別れ話をしていたにしては談笑しながら女性は最後までそのケーキとキャラメルミルクティーを味わっていた。

そして、全部味わったところで立ち上った。

「じゃ。そろそろ行くわね。荷物送り返しといて。わたしも送るから」

王子様は出て行く美女にすっと手を挙げると、美女はほほ笑んで出て行ってしまった。


その後は…
王子様は何事もなかったかのように自分のコーヒーをゆっくりと味わっている。
カバンからPCを取り出すと、仕事まで始めた。


これもいつもと同じ展開…

また別れちゃったんだね。王子様

なんだか寂しくなってしまう。


「ねぇスタッフさん」

王子様が呼んだ。

「は、はいっ」

声は最強に裏返る。

2回も呼ばれるとは今日はどういう日なんだ！冬なのに嵐でもくるのか？