エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
3年生の時だ。

ある日家に帰るとフランス人の女の人がキッチンに入ってご飯を作っていた。
そしてどうやらその女の人はわたしが邪魔らしかった。

わたしはまた表情のない子になった。
息を殺して隅っこの方で過ごすようになった。
そのうち父はアメリカに拠点を移しフランス語しか話せないその女性とは喧嘩が絶えなくなり、女性は去っていった。

その後も何人かの女性と父は居をともにした。
籍を入れていたのかどうかまでは知らない。

6年生の時、祖母が亡くなった。
と同時にわたしは母に引き取られることになった。
6年ぶりの日本だった。

それから今まで、わたしはずっと母と暮らしている。
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