エリート商社マンはわたしの王子様～見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか？～

「お母さんと真剣に話し合ったのはじめてだったし良かったと思ってます。これも崎本さんのおかげです。ありがとうございました」

そのときお母さんは自分にも好きな人がいると打ち明けてくれたという。

「うすうすわかってたんです。けれどわたしを育て上げるまではってずっと言ってくれてたんですけど、これからは家にも連れてくるって言ってくれました」

「そっか。よかったじゃん」

で、家に入れてみて、手提げ袋を見てびっくりした。

「それ、何？」

「え？材料です。晩御飯の」

「え？マジ？」

「あ、ダメでしたか？わたしなんか…」

俺のバッテンを見て、由莉愛ちゃんは「あ」とつぶやいている。