【完結】ホテル王の甘く過激なご要望
35 一回戦の結果
次の日、そのメモを失くされたお客様がお見えになった。
私、天羽オーナー、武人はお客様が待つホテルのラウンジに向かった。
「お客様、失くされたメモというのは、こちらの事ですね?」
天羽オーナーが自信満々にメモを差し出した。
しかし、お客様はそのメモを受け取らなかった。
「いやいや、天羽さん。
もうメモは要らないのです。」
お客様はおっしゃる。
「は?」
目が点になる天羽オーナー。
「実はですね、久遠さんが私との会話からその取引先の相手の顔や服装などの特徴を聞き出し、取引先相手を探し出してくれたのですよ。
しかも、私の代わりにお詫びまでしてくださって…
相手の方も素晴らしいコンシェルジュだと褒めていましてね。
久遠さんには何とお礼を言ってよいか…
無事に商談も成立しました。
ありがとうございます、久遠さん。」
お客様はおっしゃる。
「いえ、コンシェルジュとして当然の事をしたまでです。
お客様のお困り事を解決するのが、我々の使命ですから。」
武人は言った。
こうして、接客対決第1回戦は、武人に軍配が上がったようだった。
拳を握りしめる天羽オーナーに、私はかける言葉も出なかった。
きっと、あのメモを徹夜で探したのだろう。
「琴宮、昼飯一緒に行かないか?
ほら、行きたいって言ってた店があっただろ?」
武人はにこやかに私を誘う。
「え、えぇ…」
私はぎこちなく答える。
「おい、久遠、俺はまだ負けた訳じゃねーぞ?」
「ふん。
出だしがこれなら、もう勝ったも同然だろう。
琴宮はお前なんかに渡さない。」
武人が言い返す。
「俺だって、琴宮をお前に譲る気は無い。」
「負け犬の遠吠えだな。」
「ちょ、ちょ、ちょっと、2人とも止めなさい!
ここはまだラウンジなのよ!
他のお客様が見てるでしょう!?」
私は慌てて止めに入る。
「次の勝負まで休戦か…」
天羽オーナー。
「まっ、俺が勝つけどね。」
武人。
そして、2人は別れてコンシェルジュルームとオープンロイヤルスイートに帰って行った。
やはり、勝負はコンシェルジュのベテランである武人が有利なのか?
私は…
天羽オーナーが負けたら、もうオープンロイヤルスイートには行けないのだろうか…?
そう思うと、いてもたってもいられずに、私はオープンロイヤルスイートに駆け出していた。
「天羽オーナー!
天羽オーナー!」
私はオープンロイヤルスイートの寝室のドアを叩いた。
「なんだよ、琴宮…
ふぁぁあ…
やっと寝ようとしてる時に…」
天羽オーナーはあくびをして言った。
「寝てる暇なんてありません!」
私、天羽オーナー、武人はお客様が待つホテルのラウンジに向かった。
「お客様、失くされたメモというのは、こちらの事ですね?」
天羽オーナーが自信満々にメモを差し出した。
しかし、お客様はそのメモを受け取らなかった。
「いやいや、天羽さん。
もうメモは要らないのです。」
お客様はおっしゃる。
「は?」
目が点になる天羽オーナー。
「実はですね、久遠さんが私との会話からその取引先の相手の顔や服装などの特徴を聞き出し、取引先相手を探し出してくれたのですよ。
しかも、私の代わりにお詫びまでしてくださって…
相手の方も素晴らしいコンシェルジュだと褒めていましてね。
久遠さんには何とお礼を言ってよいか…
無事に商談も成立しました。
ありがとうございます、久遠さん。」
お客様はおっしゃる。
「いえ、コンシェルジュとして当然の事をしたまでです。
お客様のお困り事を解決するのが、我々の使命ですから。」
武人は言った。
こうして、接客対決第1回戦は、武人に軍配が上がったようだった。
拳を握りしめる天羽オーナーに、私はかける言葉も出なかった。
きっと、あのメモを徹夜で探したのだろう。
「琴宮、昼飯一緒に行かないか?
ほら、行きたいって言ってた店があっただろ?」
武人はにこやかに私を誘う。
「え、えぇ…」
私はぎこちなく答える。
「おい、久遠、俺はまだ負けた訳じゃねーぞ?」
「ふん。
出だしがこれなら、もう勝ったも同然だろう。
琴宮はお前なんかに渡さない。」
武人が言い返す。
「俺だって、琴宮をお前に譲る気は無い。」
「負け犬の遠吠えだな。」
「ちょ、ちょ、ちょっと、2人とも止めなさい!
ここはまだラウンジなのよ!
他のお客様が見てるでしょう!?」
私は慌てて止めに入る。
「次の勝負まで休戦か…」
天羽オーナー。
「まっ、俺が勝つけどね。」
武人。
そして、2人は別れてコンシェルジュルームとオープンロイヤルスイートに帰って行った。
やはり、勝負はコンシェルジュのベテランである武人が有利なのか?
私は…
天羽オーナーが負けたら、もうオープンロイヤルスイートには行けないのだろうか…?
そう思うと、いてもたってもいられずに、私はオープンロイヤルスイートに駆け出していた。
「天羽オーナー!
天羽オーナー!」
私はオープンロイヤルスイートの寝室のドアを叩いた。
「なんだよ、琴宮…
ふぁぁあ…
やっと寝ようとしてる時に…」
天羽オーナーはあくびをして言った。
「寝てる暇なんてありません!」